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ローカライズとは?

ローカライズとは、自社の製品やサービスの強味を活かしつつ、その地域の文化、言語、習慣、法律などに最適化して提供するプロセスを指します。ローカライゼーション (Localization) とも呼ばれます。ローカライズ=現地の消費者に迎合して個性を失うことではないことに注意が必要です。

ローカライズは、グローバル化が進む現代において、企業が海外市場に進出する際に欠かせないプロセスです。母国でヒットした製品やサービスが、そのまま海外で受け入れられるケースは少なく、ローカライズによって地元のニーズに合わせた内容にすることで、成功の可能性を高めることができます。

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なぜローカライズは重要なのか?

ローカライズを行うことにより、海外市場への進出と拡大を実現することができます。
逆を言えば、ローカライズなしでは、海外市場での成功は不可能と言っても過言ではありません。
では、ローカライズに関するいくつかの重要ポイントをみてみましょう!

1. 市場適応性の向上:
 ローカライズにより、製品やサービスを異なる言語や文化、習慣の違いのニーズに適応させることができます。これにより、地元の顧客のニーズを満たすことができます。
また、顧客満足度を向上させ、市場での競争力の向上にも繋がります。

2. ユーザーエクスペリエンスの向上:
 ローカライズされた製品やサービスは、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。
地元の文化や言語に即したコンテンツやデザインは、ユーザーにとってより親しみやすく、使いやすいものとなります。

3. 法的要件への適合:
異なる国や地域には独自の法律や規制があります。ローカライズにより、製品やサービスがそれらの法的要件に適合しやすくなります。
これにより、法的な問題を回避し、信頼性を高めることができます。

4. ブランドの信頼性向上:
ローカライズは、企業の信頼性を高める要素となります。
地元の文化に敬意を払い、地域の期待に応える姿勢は、ポジティブなブランドイメージを構築します。

5. 文化的誤解の防止:
言語や文化の違いから生じる誤解は、製品やサービスの誤った印象を引き起こす可能性があります。
ローカライズにより、これらの誤解を最小限に抑えることができます。

日本でのローカライズの成功例と失敗例 

ここまでローカライズの重要性について説明しました。
ここからは、海外の2大ファスト・ファッションブランドを成功例と失敗例としてより具体的に掘り下げてみましょう。

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成功例:ZARA

日本でも馴染み深いZARAがなぜここまで成功を成し遂げたのかをみてみましょう!

ファッショントレンドへの敏感さ:
ZARAは、ファッショントレンドに対して敏感であることが強みです。
瞬時に変わるファッショントレンドを素早くキャッチし、それを迅速に生産・提供することができます。日本のファッション市場は非常に変化が速いため、ZARAのこの俊敏な感度は日本市場にマッチしていました。

手頃な価格と品質のバランス:
ZARAは手頃な価格でありながら、品質も保っています。
このバランスが、幅広い消費者層に魅力を訴求する要因となりました。日本の市場では、コストパフォーマンスが重視される傾向があり、ZARAの価格戦略が成功につながりました。

店舗展開とローカライゼーション:
ZARAは店舗展開において、首都圏や関西圏などの都市部を中心に、ショッピングモールや駅ビルなどへの出店を積極的に行いました。
これにより、ZARAは幅広い層の消費者に認知され、人気を博すようになりました。
また、店舗内のディスプレイや商品陳列も、日本の消費者の好みや季節感に合わせてローカライズされています。
例えば、日本の伝統的なモチーフや色彩を取り入れたディスプレイを施したり、季節の行事に合わせた商品を展開したりすることで、日本の顧客にとって親しみやすく、居心地の良い空間を演出しています。

オンラインプレゼンスの構築:
ZARAは、近年、オンラインプレゼンスの強化に取り組んでいます。
日本の消費者にとって、オンラインショッピングの利便性や多様な選択肢は重要な要素であり、ZARAがこれに対応したことで、ブランドの浸透と成功に導きました。

ZARAが日本で成功した理由は、ファッショントレンドへの敏感さ、手頃な価格と品質のバランス、ローカライズされた店舗展開、そしてオンラインプレゼンスの強化など、多岐にわたる要因が複合的に寄与しています。

失敗例:Topshop

Topshopは、イギリスのシェフィールドで1964年に創業されたUK No.1ファストファッションブランドです。レディース、メンズ、キッズのウェアやアクセサリー、化粧品など、幅広いアイテムを展開しています。
2008年に日本上陸し、国内に6店舗を展開。ファストファッション​​ブームを巻き起こしましたが、2015年に日本から撤退しました。その失敗の理由を見てみましょう。

文化的適応の不足:
日本の消費者が好むファッションやスタイルに対する理解が不足していた可能性があります。Topshopは、日本でもイギリスのファッショントレンドを反映した商品を展開してきました。しかし、日本はイギリスとは異なる文化や価値観を持つ国であり、日本の消費者が好むファッションやスタイルを十分に理解していなかった可能性があります。
ファッションは文化と深く結びついており、地元のトレンドや好みを十分に理解し取り入れないまま展開することは、成功の妨げとなります。

価格競争の厳しさ:
Topshopは、高級ブランドではないものの、価格帯が他のファストファッションブランドよりもやや高めでした。
日本の市場では、価格競争が非常に激しいため、コストパフォーマンスが重視されています。顧客が同等またはそれ以下の価格で同様の品質を提供する他のブランドに流れる可能性がありました。
特に、国内のファッション市場においては、ユニクロやGUなどのSPAブランドが台頭し、若者層の支持を集めていました。
Topshopは、SPAブランドと比較して価格が高く、若者層のニーズを十分に満たすことができなかったと考えられます。
RemarkチームメンバーもイギリスではTopshopのユーザーでしたが、日本の店舗はイギリス本国と比べると価格設定が約30%高く、学割制度もなかったため、ターゲット層である10代〜20代にはかなり高く手が出せないのではと感じたのを覚えています。

マーケティング戦略の不一致:
Topshopの一部の企業は、日本市場において十分なマーケティング調査を行わず、地元の消費者の好みや価値観を理解せずに展開しました。
これにより、商品や広告がターゲットに合わず、消費者の支持を得られなかった可能性があります。

競合他社との差別化の不足:
日本のファッション市場には多くの競合他社が存在しています。
Topshopが他のブランドとの差別化を図る努力が不足していた可能性があります。他のブランドと比較して独自の魅力や特徴を明確に打ち出していなかった可能性があります。

経済的な要因:
経済状況の変化は、ブランドの成功に大きな影響を与える可能性があります。2014年から2015年にかけて、日本経済はマイナス成長を続けており、消費者の購買意欲が低下していました。特に、高級ブランドや輸入ブランドは、価格が高いため、景気の影響を受けやすい傾向があります。また日本進出に際してZARAやH&Mが直営戦略を取ったのに対し、Topshopは本国が全く資本を入れないフランチャイズ(FC)形式での展開だったため、本国からの経済的なバックアップがない状況で日本市場への定着に必要なマーケティング活動に必要な投資が行えなかった可能性があります。(ZARAは当初は合弁でしたが、その後独資化されています)


ローカライズのアプローチ 

では、ローカライズを行う際には、どのようなアプローチが必要なのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。

1.ターゲット市場の調査と文化の理解:
まず、ターゲット市場の文化や言語、習慣、価値観などを調査する必要があります。
地元のニーズ、嗜好、トレンドを理解し、製品やサービスに適応するための情報を収集します。これにより、ターゲット市場のニーズや期待を理解することができます。

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2.トランスクリエーション:
トランスクリエーション(transcreation)とは、翻訳(translation)と創造(creation)を組み合わせた造語で、ある言語のコンテンツを別の言語に翻訳するだけでなく、文化的なニュアンスや意味を適切に伝えるために、創造的な表現を加えることを意味します。

文化的なニュアンスや背景・意図、トーン、視覚的・聴覚的表現、歴史的文脈などのレイヤーが欠けていることがよくあります。
美しさ等の価値基準、慣習・常識や情報配置等の期待値は文化圏等によって変わります。
トランスクリエーションは、単なる翻訳にとどまらず、文化的に適切なビジュアル、色、声、音楽の選択など、より深いレベルでターゲットオーディエンスの心に響くメッセージを制作することがローカライゼーションにおいての重要な成功ポイントとなります。

3. デザインとコンテンツのローカライズ:
地元の文化を反映したデザインとコンテンツで、ターゲット市場に効果的に訴求します。
具体的には、カラーや画像の使用、フォントの選択など、文化的な背景を考慮したデザインを行います。
また、ターゲット市場の消費者に親しみやすい表現や、記憶に残りやすい表現などを用いたコンテンツを作成します。

このように、デザインとコンテンツのローカライズは、単なる翻訳ではなく、文化的なニュアンスや意味を適切に伝えるために、創造的な表現を加えることで、ターゲット市場に効果的に訴求することができる重要なプロセスです。

4. 製品の適応:
地元のニーズや法規制に合わせて、製品を適応させます。
具体的には、製品の仕様やサイズを、地元の消費者の好みや使用環境に合わせて調整します。
また、地域ごとの法的要件や基準を満たすために、製品の機能を調整したり、ニーズに応じて追加したりするなどの対応を行います。

5. 地元密着型マーケティング戦略:
地元の消費者のニーズや嗜好を理解し、それに応じたマーケティング戦略を展開します。
具体的には、地元のメディアやSNSを活用して、製品やサービスを効果的に宣伝します。
また、地元のイベントやキャンペーンに参加するなど、地域社会との結びつきを強化することで、ブランドの認知度を高めることができます。

6. 顧客サポートのローカライズ:
地元の顧客に、親しみやすく、信頼できる顧客体験を提供することは、グローバル企業にとって重要な課題です。
顧客サポートのローカライズは、地元の顧客のニーズや期待に応えるための重要な手段です。
具体的には、顧客は自分の母国語で問題を解決することができるように、地元の言語でのサポートを提供すること、また、地元の文化や慣習を理解したサポートスタッフを配置することで、顧客の立場に立ってニーズや期待に応えることを指します。
これにより、顧客は安心して製品やサービスを利用することができます。

7. 市場テスト・フィードバックの収集と改善
ローカライズされた製品やサービスを、ターゲット市場の消費者にテストしてもらうことで、ローカライズの品質を向上させ、顧客満足度を高めることができます。
ローカライズの効果を定期的に評価し、修正が必要ならば迅速に対応します。

具体的には、以下の方法でフィードバックを集めることができます。

7-1 ユーザーテスト
ターゲット市場の消費者に、製品やサービスを実際に使ってもらい、その感想や意見を収集する方法です。
製品の使いやすさや、デザインのわかりやすさ、機能の満足度などを評価することができます。

7-2 アンケート調査
ターゲット市場の消費者を対象に、質問票を配布して回答してもらい、フィードバックを集める方法です。
製品やサービスのさまざまな側面について、幅広い意見を収集することができます。

7-3 インタビュー
ターゲット市場の消費者と、直接面談してフィードバックを集める方法です。
深い理解や共感を得やすいため、具体的な改善点を見つけるのに有効です。

これらの手順に従うことで、製品やサービスを効果的にローカライズし、地域市場での成功を促進することができます。

 

ローカライズにはエージェンシーは必要?選び方は?

ローカライズは、言語の翻訳だけでなく、文化や慣習の理解も必要となるため、独自で行うには専門知識と経験が必要です。
そのため、ほとんどの場合、エージェンシーの力を借りてローカライズを行う必要があります。
では、エージェンシーを選ぶ際の着目ポイントをご紹介します。

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1.経験と実績
ローカライズの経験と実績が豊富なエージェンシーを優先的に選びましょう。
経験豊富なエージェンシーは、ローカライズのノウハウやスキルを有しており、プロジェクトを成功に導くことができます。

2.専門分野
専門分野に精通したエージェンシーは、製品やサービスの特徴を理解し、ターゲット市場のニーズを把握することができます。
これにより、ターゲット市場に適したローカライズを行うことができ、顧客満足度の向上につながります。

3.価格
ローカライズの費用は、プロジェクトの規模や内容によって異なります。
予算に合ったエージェンシーを探しましょう。

4.コミュニケーション
エージェンシーとスムーズにコミュニケーションが取れることが重要です。
エージェンシーの対応やフィードバック体制を事前に確認しておきましょう。


Remarkの強み

リマークは、英語圏の海外進出に特化したエージェンシーです。
CEOのAsh Gearyをはじめ、多くのネイティブ・スピーカーが在籍しています。
日本人メンバーも英語に精通しており、海外在住経験を持つメンバーも多数在籍しています。

リマークには、型にはまったマーケティング戦略は存在しません。
各企業が持っている悩みやニーズは異なるので、貴社が必要としているサービスをカスタマイズして提供します。
また、貴社の価値を国際的な視点から再評価し、戦略的な転換を行い、効果的にターゲットオーディエンスに展開することを得意としています。

リマークのトランスクリエーション・サービス
私達は、これまでに多くの企業のメッセージの海外向けトランスクリエーションを行ってきました。
日本企業の悩みを熟知し、製品やサービスのローカライズを通じて、現地のニーズに応じた海外マーケティングを実現します。

リマークが実際どんなトランスクリエーションを行ったのか、NafiaSの海外進出事例を見てみましょう!


最後に

海外進出を成功させるためには、ターゲット市場のニーズや文化を理解したマーケティング戦略が不可欠です。しかし、海外進出を検討する日本企業にとって、その実現は容易ではありません。

リマークは、トランスクリエーションの専門知識と海外進出サポートの豊富な経験を活かし、ターゲット市場のニーズや文化を理解した、製品やサービスにあったマーケティング戦略をオーダーメイドします。

海外進出を検討している日本企業の方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

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